多汗症について
多汗症は主に2種類に分けられます。全身の汗が増える全身性多汗症と、体の一部に汗が増える局所性多汗症です。さらに特定の病気が原因で過剰に汗が出る場合と、病気が原因ではないがたくさん汗が出る原発性多汗症に分けられます。
一般的に悩まれる方が多いのは局所性の原発性多汗症です。日本人の手のひらの多汗症患者数は61万6,000人(※)、脇の多汗症患者数は223万9,000人(※)と言われています。つまり、日本人の約200人に1人が手のひらの多汗症、約55人に1人が脇の多汗症を患っている自覚があるということです。
ボトックス注入による制汗効果
人間は神経の末端(神経終末)から分泌されるアセチルコリンという神経伝達物質が、神経から伝達すると汗をかきます。ボトックスには、このアセチルコリンの放出を抑える働きがあり、過剰な汗の分泌をブロックします。
多汗症の場合
神経終末に存在するアセチルコリン
筋肉に溶け出し、汗が出る
ボトックス注射後
神経終末を囲むように
ボツリヌス毒素が張り付く
周りに張り付いたボツリヌス毒素が
神経終末内に溶け込むことで
アセチルコリンが外に溶け出さない
多汗症治療のボトックスで使用する製剤
ボトックスビスタ(アラガン)
ボトックスビスタ®は、日本国内で唯一厚生労働省が承認しているボツリヌストキシン製剤で、世界では25年以上にわたって広く美容医療に使用されています。また、2015年6月時点で、米国、イギリス、ドイツ、フランスをはじめ91か国以上で承認されている高品質製剤です。
ボツラックス
ボツラックスは、ボトックスのジェネリック薬として登場したボツリヌストキシン製剤です。
美容先進国である韓国で開発され、臨床治験後にMFDS(韓国食品医薬品安全庁、旧名称:旧KFDA)の承認を受けた薬剤です。高い安全性を持ちながら、リーズナブルなのが特徴です。
ボトックス注射によるワキ汗・多汗症治療の方法
カウンセリング後注射箇所をデザインし、デザインに沿って注射を打っていきます。
全身性の多汗症にではなく、局所性の多汗症に対して製剤を注射し、発汗を抑制します。効果は数か月ほど続きます。
ボトックス注射による多汗症治療の施術範囲
【脇汗のボトックス注射範囲】
脇汗のボトックス注射では以下の写真のように楕円形のようなデザインを行い、点に対して注射を行います。基本的に汗腺は、皮膚の浅い層に分布しているため、浅い層に注射していきます。
【手のひら・足の裏のボトックス注射範囲】
手のひら・足の裏のボトックス注射は以下のようにデザインを行い、点に対して注射を行います。
足も裏も手のひらと同様に指先までボトックスを注射します。
多汗症治療のボトックス注射で痛みを抑える工夫
多汗症治療でボトックスを注射する部位は、他の部位に比べて痛みを強く感じる部位であるため、上記の製剤を希釈する際にキシロカイン(局所麻酔薬)を希釈して注入しております。
汗止め(脇)ボトックスの施術の流れ
汗止め(手の平・足の裏)ボトックスの施術の流れ
※足の裏も同様です
多汗症治療のボトックスの手術時間
注射を打つだけですので10分程で終了します。
多汗症治療のボトックスのリスク・副作用
◆リスク・副作用◆【内出血】…1~2週間
◆対処法◆時間の経過と共に消失します。長引くようであればクリニックにご相談下さい。
多汗症治療ボトックスの処置期間・アフターケア
手術当日
【ご来院】
- 患部の状態
- 腫れ・赤みが気になる事はほとんどありません。
内出血が出た場合、1~2週間で消失します。
効果が現れるまで3日~1週間程度かかります。
施術当日よりシャワーは可能ですが、脇はあまり強くこすらないように気を付けてください。 - 日常生活
- ボトックス治療の当日より3日間は熱いお風呂・サウナなどはお控えください。
ボトックスは熱に弱いため、身体を温めすぎてしまうと効果が弱くなる可能性がございます。制汗スプレーは1週間後よりご使用ください。
またボトックス注入後、3か月は避妊が必要です。