① 一重の仕組み、二重の仕組み
二重の手術を詳しく理解するためには、まずまぶたの仕組みを知ることが必要です。 一重まぶたの仕組み、二重まぶたの仕組みを良く理解されてから二重整形である埋没法、切開法、眼瞼下垂の手術説明を読むと分かりやすいかと思われます。
一重の仕組み
瞼板(A)と言われる組織に眼瞼挙筋(B)といわれる筋肉が付着しております。 この眼瞼挙筋(B)が瞼板(A)を引き上げる事で目が開きます。 (A)が引っ張られると相対的に皮膚は②の方向へ垂れ下がってしまう為、黒目があまり見えていない状態となります。 これが一重の仕組みです。 黒目が見えていないため人相が悪くみえたり、暗いイメージになりやすいのです。 まぶたの皮膚が②の方向へ垂れ下がるため、まつ毛も上を向きません。
二重の仕組み
二重になる方は眼瞼挙筋の枝が皮膚の方まで伸びて付着しています。 眼瞼挙筋(B)が瞼板(A)を引っ張って開眼する際に、同時に眼瞼挙筋(B)の枝が皮膚を引き込んできますので上図の様に折り重なりが出来て二重となります。 この時Cの地点(瞼縁といいます)が上に持ち上がる事で黒目が大きく見えます。 二重になる事で黒目が大きく見えたり睫毛が上に持ち上がって目が大きく見えるということになるのです。 その上で、どの程度二重の幅があった方が良いかは患者様の好みということになります。 すなわち眼瞼挙筋の枝の代わりを作ってあげる事が二重の手術という事になります。
② 二重まぶたにしたい、二重まぶたの幅を広くしたい
一重を二重にしたり、二重の幅を広げたりする方法は大きくわけて埋没法と切開法の2つの方法があります。どちらの手術を選択するかは患者様の希望によっても異なりますが、施術説明をご参考にして下さい。実際のカウンセリングでは双方の手術のメリット、デメリットをきちんとご説明いたします。
③ 腫れぼったいまぶたを治したい
瞼の脂肪が多い方であれば目の上の脂肪を除去することですっきりするでしょう。ただし、上瞼の厚みの原因は脂肪だけではありません。皮膚の厚みや軟部組織の厚みなども関係しております。すぐに上瞼の脂肪取りをすすめるクリニックも多いようですので、必要性や効果があるのかしっかり診断すべきであります。

① 眼輪筋…目を閉じる筋肉
② 瞼板…軟骨
③ 眼瞼挙筋…目を開く筋肉※眼瞼挙筋が瞼板を引っ張りあげることで目が開きます。
④ 眼窩脂肪…目の上の脂肪
⑤ 眼窩隔膜※眼窩脂肪は眼窩隔膜という膜に包まれています。 ④の眼窩脂肪が多い方では、朝に脂肪が膨張して瞼がむくみます。
① 眼輪筋…目を閉じる筋肉
② 瞼板…軟骨
③ 眼瞼挙筋…目を開く筋肉※眼瞼挙筋が瞼板を引っ張りあげることで目が開きます。
④ 眼窩脂肪…目の上の脂肪
⑤ 眼窩隔膜※眼窩脂肪は眼窩隔膜という膜に包まれています。 ④の眼窩脂肪が多い方では、朝に脂肪が膨張して瞼がむくみます。
目の上の脂肪除去は、この脂肪を除去することでむくみを軽減することを目的とします。脂肪の量が多い方ですと、脂肪を除去することで瞼がすっきりとしますが、将来的に、目の上に窪みが出来る可能性もございます。 自分の瞼は厚い、だから脂肪を抜きたいと考えられる患者様は多いかと思われますが、正しい知識を持った上でご検討して下さい。(詳細は目の上の脱脂を参照して下さい)
④ 目を大きくしたい
目を縦方向に大きくする方法は二重の手術(眼瞼下垂の手術も含む)やたれ目の手術があります。 横方向に大きくする方法としては目頭切開や目尻切開があります。
目を大きくしたいという場合、一般的に二重の手術を希望される方が多いと言えます。 その場合、目を大きくしたいばかりに、二重の幅ばかり大きくしようとすると不自然になってしまいます。 あくまでその方なりの自然に大きくみえるラインで二重をつくります。 さらに大きくされたい場合は目頭切開やたれ目の手術を併用すると良いでしょう。 縦と横に大きくすることで、不自然にならず、最大限目を大きくすることができます。
⑤ 目が離れているのを治したい
東洋人の顔には、目頭の部分を覆っている蒙古ヒダがあります。ヒダが張っている方では目が小さく見えたり、目が離れてみえてしまいます。目頭切開により蒙古ヒダをとってあげる事で、横方向に目を大きくしたり、目の距離を近くする事が出来ます。 変化の度合いは蒙古ヒダの張り具合により異なりますので、カウンセリングにて判断し、きちんとご説明いたします。
⑥ 平行型の二重にしたい
平行型の二重を作るためには、ある程度の二重の幅が必要となります。どの程度の幅で平行型になるかは、患者様の蒙古ヒダの突っ張り具合や目の形状によって変わります。


蒙古ヒダによる突っ張りのため、通常の二重は、 図のようなラインになります

平行型の目にする為には、蒙古ヒダの突っ張り の力①に幅の力②が勝たなくてはいけません。
このように2の力が1の力を上回る幅で二重をつくることで、平行型の二重が可能となります。ただし、その幅が適切か不適切かはカウンセリングにて診させて頂かなくてはいけません。 以下に実際の手術方法について解説いたします。
●埋没法
平行型になり易い目元の方であれば、埋没法のみで平行型の二重は可能でしょう。ただし埋没法は、時間と共に多少二重の幅が狭くなる事に加え、目頭側が蒙古ヒダに引っ張られておりますので時間が経った時に、平行型を維持出来なくなる場合があります。余裕をもって平行型になる方であれば埋没法のみで可能となります。
●埋没法+目頭切開
埋没法に目頭切開を加える事で、蒙古ヒダで内側に引っ張られて目頭のラインがくっつくのを予防できます。ただし埋没法は多少狭くなるので、その際に平行型を維持出来なくなる場合もあります。
●切開法+目頭切開
切開で二重を作る事により二重の幅が狭まる事はありません。また、目頭切開により蒙古ヒダの突っ張りをなくす為、確実に平行型をキープする事ができます。 平行型を希望される場合、このように、どの手術を組み合わせるかはカウンセリングにて、診察のもとご提案させて頂きます。
⑦ 目力アップ(黒目を大きく見せたい)
目を開ける筋肉を縫い縮める事で、黒目を大きく見せる事ができます。この手術は通常、加齢と共に目の開きが悪くなった方に行なう眼瞼下垂の治療を、通常の方に応用し黒目を更に大きく見せようとするものです。目力アップというと分かりやすいでしょう。
⑧ 目の下の窪み、膨らみ、クマが気になる
目の下のクマは色素沈着による場合と、下記にご説明するように、突出した脂肪により段差が出来て影によるクマに分かれます。前者に関しては今のところ色を改善する方法はありません。しかし、ほとんどの場合が後者であったり、両者が混在するパターンですので、後者の治療をすることで改善あるいは軽減する事ができます。
眼球は眼窩と呼ばれる骨の空洞に収まっています。眼球と空洞の間には脂肪が存在し、眼球を保護している状態となっております。重力の関係で加齢と共に目の上の脂肪は奥に引っ込みます。目の下には加齢と共に眼輪筋の緊張が緩み、脂肪が突出したり、たるみが出てきたりします。骨格的な問題もありますので早い方では20代位から症状が出始めます。突出した脂肪により段差が出来てその下に影が出来るのがクマの出来る理由です。 まずはこのクマに対しておこなうヒアルロン酸注入についてご説明いたします。ヒアルロン酸を注入して段差を埋める事により、フラットな状態を作り段差をなくすことでクマを目立たなくします。
次にヒアルロン酸注入で良くなるケースとそうでないケースを以下にご説明いたします。
- タイプ1 脂肪の突出が軽度で窪みのために段差ができてクマに見える
- タイプ2 脂肪の突出も窪みも両方あり段差ができてクマに見える
- タイプ3 窪みはないが、脂肪の突出があり段差ができてクマに見える
くぼみの部分にヒアルロン酸を注入してなだらかにするわけですが、必要以上にヒアルロン酸で膨らませようとすると、逆に注入部分がボコッと膨らんでしまいます。つまり膨らみ部分(突出した脂肪)が強過ぎれば段差を埋めきれないのです。良くなるタイプとしてはタイプ1となります。多少改善するタイプとしてはタイプ2となります。タイプ3はヒアルロン酸では改善出来ません。タイプ2を根治させたり、タイプ3を治すには突出した脂肪を除去する手術が必要になってきます。
代表的な二重の種類
奥二重
二重のラインにまぶたがかぶっているため、角度によっては一重に見えてしまうタイプの二重です。奥二重は、クールな印象を持たれることが多いです。
末広二重
目尻側にいくほどに幅が広がっているタイプで日本を含むアジアの方に1番多いのがこの末広の二重です。ナチュラルな印象になります。
平行二重
目頭側から目じりまで均一なラインが入っている欧米の方に多く見られる二重です。まつ毛の生え際もしっかり見えており、華やかな印象のお目元になります。