メンズ版ニキビ跡の治し方・赤みを消す方法【美容皮膚科解説】
2023.05.18
美容皮膚科

お肌に残ってしまったニキビ跡に関しては、男性・女性問わずお悩みの方は多くいらっしゃるかと思います。
ニキビ跡を治したり、ニキビ跡の赤みを消すためには、男性と女性のお肌の違いについても理解したうえで、適切なアプローチや治療が必要です。
今回は、メンズ版として男性向けのニキビ跡治療について解説していきます。
Contents
ニキビ跡に関する男性患者様からのお悩み相談

ニキビ跡が目立つと周囲からの目線や印象が気になりますよね。
ニキビ跡は、ニキビが肌にダメージを与えて、跡として残った状態です。
ニキビができている段階でのケアも重要ですが、ニキビ跡が残ってしまった後でも美容皮膚科の治療で改善が期待できます。
男性と女性の肌の違い
まず初めに、男性と女性のお肌の違いについて理解することが大切です。
男性の肌の特徴をご紹介いたします。
表皮の厚さが異なる

まず大きな違いとして、男性と女性の肌は構造に違いがあります。
表皮と言われる層全体の厚さが女性は約1.2mmですが、男性は約1.5mmと厚く、コラーゲンの層も厚いのが特徴です。
男女で厚さに違いが生じる要因として、男性ホルモンの働きが挙げられます。男性ホルモンのテストステロンが、コラーゲンの生成を促進するため、厚くハリのある肌に繋がっています。
脂性肌の割合が多い(皮脂・油分が多い)
一般的にも、女性より男性の方が肌のテカりを気にする方が多い傾向にあります。ドラッグストアなどをはじめ、男性化粧品の売り場にはテカリを拭き取るフェイシャルシートが並んでいます。
男性の肌の方がテカりやすい原因も、実は男性ホルモンの働きによるものなのです。男性ホルモンのテストステロンが皮脂腺を発達させるため、皮脂の分泌量が増えていきます。特に思春期や若年層においては活発に分泌され、ニキビや毛穴の開きの原因にもなります。
また、フェイシャルペーパーを頻繁に使用することで肌が乾燥し、乾燥を防ぐために皮脂が過剰に分泌されて、さらにテカりやすい状態になるケースもあります。
しわが目立つ

先述のように、女性に比べて男性は肌やコラーゲンの層が厚い一方で、肌の保水力に関しては女性の半分もしくはそれ以下です。
年を重ねるにつれて、ホルモン量が減少し肌の弾力やハリも落ちていきます。さらに、肌の厚みも相まってしわが深く目立つようになります。
女性ホルモンのエストロゲンは、皮膚の老化抑制や細胞生成を促してくれますが、男性はエストロゲンの生成が少ないので、より一層お肌の老化や老けた印象に拍車が掛かってしまいます。
ニキビ跡の原因
ニキビ跡の原因に関しては、男性・女性問わず共通するところも多いですが、個人の生活習慣による部分もありますので、改めて確認しましょう。
主な原因は以下の通りです。
・ニキビ(赤み・炎症を伴うニキビ)をそのままにする
・ニキビを頻繁に触る(潰す)
・乱れた生活習慣(睡眠不足・偏食・栄養不足など)
・紫外線(メラニン)によるダメージ
・皮膚の厚みが無くなる
ニキビ跡の種類とニキビ跡の出来る原因
ニキビ跡には、複数の種類とそれぞれ原因があります。
赤みのあるニキビ跡や色素沈着によるもの、デコボコとしたクレーターのようになってしまったニキビ跡などがあります。
ご自身の症状とも照らし合わせながら、その原因について理解していきましょう。
赤みのあるニキビ跡

まず1つ目は、赤ら顔や顔がほてったように見える赤みのあるニキビ跡です。別名「炎症後紅斑」とも呼ばれます。肌表面はあまりデコボコしていないのに、赤みだけが消えないということでお悩みの方も多いと思います。
毛穴で炎症が起こした毛細血管が増えてしまったことが原因で、炎症が治まってお肌が平らになっても赤みを帯びています。
通常であれば、肌のターンオーバーによって自然と消えていきますが、皮膚の深いところまで炎症を起こしていた場合は、なかなか赤みが消えません。
色素沈着のニキビ跡
ニキビの炎症が長引くと、肌がダメージから守ろうとメラノサイトが活性化します。炎症が起きた部分で大量のメラニンが生成されると薄茶色に色素沈着を起こしてしまった状態が色素沈着のニキビ跡です。
外出や屋外での作業が多い方や、日焼け止めをあまり使わないという場合には、より一層色素沈着が進行してしまう恐れがあります。
先ほどの赤みと同じく、ターンオーバーで徐々に薄くなりますが、色素沈着が濃く残ってしまうと消えずに残ってしまうケースもあります。
クレーター状のニキビ跡

ニキビ跡と聞いて、イメージしやすいのが凹凸のあるクレーターのようなニキビ跡ではないでしょうか。
クレーター状のニキビ跡は、炎症が真皮層まで拡大し、真皮の組織が破壊されてしまいます。また、雑菌がついた不清潔な手でニキビを潰す行為も、クレーター状のニキビ跡になる原因です。
1度クレーター状になったニキビ跡は、肌のターンオーバーやホームケアでは治すことができません。
盛り上がったニキビ跡の治し方
盛り上がったニキビ跡は、ニキビの炎症が真皮層まで拡大することによって、皮膚が修復のためにコラーゲンを異常に生成してしまうことで生じます。
個人差などありますが、場合によってはケロイドに繋がる場合もありますので注意が必要です。
自宅で出来る男性のニキビ跡のケア
誰でも自宅でできるニキビ跡ケアには、以下が挙げられます。
生活習慣の改善
肌のターンオーバーや治癒力を正常に整えるためにも、生活習慣の乱れを直すことが重要です。
正常なターンオーバーによって、赤みや色素沈着が落ち着いてきたり症状の悪化、新たなニキビの発生リスクも抑えることができます。
十分な睡眠とビタミン・タンパク質豊富な食事を心がけて、ベースとなる部分を整えていきましょう。
日々のスキンケア方法の見直し

毎日の洗顔や保湿などご自身のスキンケアについても見直す必要があります。
肌を綺麗に保つために洗顔は大切ですが、刺激や摩擦が強いとかえって肌へのダメージになってしまいます。洗顔料をしっかり泡だて優しく顔に乗せ、ぬるま湯で丁寧に洗い落としましょう。
また、洗顔後はすぐに化粧水などでお肌の水分を補い、乳液うや保湿液で水分が失われないようにカバーしましょう。
日頃使用している洗顔料や化粧水などのスキンケアアイテムが、お肌に合っていないと肌トラブルの原因になりますので、敏感肌や乾燥肌などご自分のお肌の状態を確認し、適したアイテムを使用することも重要です。
美容皮膚科でのニキビ跡を治す・消す治療法
レーザー機器

レーザー機器は、お肌に目に見えない微細な穴を開けて、肌の自然治癒力を利用してニキビ跡の改善・肌再生を促す治療法です。
肌が再生する際に、コラーゲンやエラスチンが増加することでニキビ跡の改善以外にも、お肌のハリや毛穴の引き締めなどにも効果が期待できます。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、その名の通りピーリング治療でニキビ跡にアプローチします。
薬剤の有効成分を真皮層まで浸透させ、コラーゲンの生成や古い角質除去によってターンオーバーを促します。新しい綺麗な肌に生まれ変わるので、ざらつきやくすみといったお悩みにも効果的です。
ウォーターピーリング

ウォーターピーリングは、角質や毛穴に詰まった汚れ・皮脂を水流の力で取り除き、美容成分を肌に浸透させていく治療です。
余分な皮脂や角質を除去するので、ニキビになりにくい肌に整えることができます。
当院では、ハイドラブースターを採用し治療を行っております。
ダーマペン

ダーマペンは、極細の針で表皮に目に見えない微細な穴を開け美容成分を導入します。そして、穴を塞ごうとする皮膚の自然治癒力と美容成分の力によってニキビ跡や毛穴などの改善、お肌全体の若返りを図ります。
2023年時点では、ダーマペン4が最新機器です。
エレクトロポレーション

エレクトロポレーションは、傷や痛みを伴わず高分子の美容成分を特殊な電気の力で、お肌の深層(真皮層)まで浸透させることができる、経皮導入機械(メソポレーション)です。
主にメソナJといった機器が用いられており、赤みのあるニキビ跡や色素沈着にも鎮静化や美白効果などが期待できます。
美容皮膚科での治療後のアフターケア

美容皮膚科で適切な治療を行った後のアフターケアも非常に重要です。男性・女性問わず心がけていただきたい内容ですので、ぜひご確認ください。
日焼けしない
季節を問わず、術後の紫外線対策は欠かさず行ってください。
術後すぐは肌がデリケートな状態で、紫外線による刺激にも敏感です。紫外線自体が、色素沈着の原因になるメラニンの生成を促すため、肌トラブルにも繋がってしまいます。
治療後も、ニキビ跡の悪化やニキビができやすい肌になってしまうのを防ぐため、季節や天気を問わず紫外線対策を行いましょう。
肌に刺激を与えない
紫外線以外にも、肌への刺激となる行為やスキンケアなどは控えてください。
いつも以上に敏感な状態の肌に刺激を与えてしまうと、ニキビ跡が余計に悪化してしまったり、思わぬ肌トラブルに繋がります。
保湿ケアをする
お肌の保湿毛ケアは普段から大切ですが、ニキビ跡の炎症や回復を早め、肌の乾燥を防ぐためにも術後は欠かさず行いましょう。
摩擦しない
ニキビ跡の治療後は、治療を行った部分の皮膚が薄くなっているため摩擦も避けてください。色素沈着を起こしているニキビ跡以外でも、摩擦によって新たに色素沈着を起こしてしまうリスクがあります。
美白ケアをする
ニキビ跡の治療と合わせて、美白ケアを行うのことも有効です。
白玉点滴といった美白効果のある美容点滴をはじめ、ビタミンCや抗酸化作用のあるサプリメントの摂取など、より一層術後の仕上がりが綺麗になります。
睡眠をしっかりとる
先述の生活習慣の改善でもあったように、睡眠は非常に重要です。肌再生のためにも睡眠時間をしっかり確保し、肌の治癒力・ホルモンバランスを整えることで、正常な肌のベースを作ることができます。
ニキビ跡予防と対処法
ニキビ跡を作らないためには、まずニキビができないことに尽きますが、必ずしもニキビができないとは限りません。
ニキビ跡ができるリスクを限りなく低くすることが大切です。
内服薬を服用する

手軽な予防法の1つに内服薬があります。
ニキビ予防にはビタミンの摂取が欠かせませんが、とりわけビタミンB群がおすすめです。ビタミンB2とビタミンB6は皮脂分泌のコントロールや皮膚を強くする効果があります。
その他にも、炎症の鎮静化に働くビタミンC、お肌のターンオーバーを促すビタミンEなどを取り入れるのもおすすめです。
セラミドでバリア機能を高める
どうして避けられない刺激に対して、お肌自体を強くする肌バリア機能の強化も需要です。
肌バリア機能のベースは、セラミドという成分です。最近では、このセラミドを配合したスキンケア用品も多数でているので、毎日のケアで肌自体を強くすることができます。
水の森美容クリニックでのニキビ跡治療の特徴
男性も安心!メンズ美容も豊富なメニューで対応

昨今では、男性の美容意識の高まりに応じて医療脱毛やアートメイクといった治療でも、男性向けのサービスや広告が増えています。一方で、美容皮膚科はどうしても女性が通う場所というイメージがまだ根強い面もあります。
ですが、水の森美容クリニックは、もちろん男性の方の無料カウンセリング・施術も対応しています。
最近は、お肌のお悩み・トラブルを抱えた男性の方のご来院や、1度治療を受けた方で定期的なケアに通っていただけるケースなども増えています。
施術メニューも男性・女性問わず豊富なメニューの中から、お肌の状態やご希望に合ったものをご提案いたします。
肌の状態を可視化できる

当院では、肌診断機VISIAを導入しています。肌年齢やシミ・しわ・毛穴の状態や炎症の度合いなどを数値や画像で可視化して確認ができます。
見た目ではわからない肌の状態を把握することで、治療方法を細かく調整することが可能です。
ニキビ跡の状態に合った施術が選択可能
先述の通り、ニキビ跡にはさまざまな種類があります。
赤みのあるニキビ跡や色素沈着が生じるているもの、クレーター状や膨らみのあるニキビ跡、さらに複数の種類が混合しているものなどあります。
そこで、ニキビ跡の種類に応じて治療方法も変えていく必要があります。
赤みの帯びたニキビ跡には、エレクトロポレーションのメソナJやケミカルピーリング。
クレーター状には、ダーマペンやピコレーザー(ピコフラクショナル)。
色素沈着には、ピコレーザー(ピコトーニング)やケミカルピーリング、ハイドラブースター(ウォーターピーリング)。
といったように適切な施術があり、当院でも症状に合わせた治療が選択可能です。
自宅ケアができる内服薬やスキンケア用品(ドクターズコスメ)も購入できる

繰り返しになりますが、日ごろのケアも大切です。ただ、効果が少ないケア用品や肌に合っていないものを使用してしまうと、逆効果になってしまいます。
水の森美容クリニックでは、数あるスキンケア用品の中から厳選した洗顔フォームや化粧水、日焼け止めなどのドクターズコスメもご用意しております。
ニキビ跡治療についてよくある質問
Q. 男性のニキビ跡治療には何が効果ありますか?
A. 主な治療法として、レーザー治療・ケミカルピーリング・ウォーターピーリング・ダーマペン・エレクトロポレーションなどを、お肌の状態に合わせて行うことで効果が得られます。
Q. 男性と女性の肌には、どのような違いがありますか?
A. 表皮の厚さ・皮脂の分泌量・シワの目立ちやすさが挙げられます。
Q. スキンケアで男性が注意すべきことはありますか?
A. 洗顔時に強くこすらない・洗顔後の保湿をしっかり行う・フェイシャルペーパーを過剰に使用しないなど、つい行ってしまう・忘れてしまいがちな点は注意が必要です。
ニキビ跡の治療法については、別の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
2023.05.18
美容皮膚科
この記事の監修医情報

水の森美容クリニック
総院長 竹江渉
<経歴>
- ・平成10年 東京医科大学医学部卒業
- ・平成18年2月 水の森美容クリニック開院
<所属学会>
- ・日本美容外科学会正会員
- ・日本美容外科医師会正会員
- ・麻酔科標榜医
- ・BOTOX VISTA®認定医
- ・ジュビダームビスタ®認定医
学生時代はニキビが酷かったのですが、社会人になってようやく治まりました。
ですが、赤みを帯びたニキビ跡やクレーターのような凹凸が残ってしまっています。
仕事でも人と接する機会が多いので改善したいのですが、良い方法はあるのでしょうか?