ボトックスは菌ですか毒ですか・・?いいえ、お薬です。

プチ整形の範囲で患者様からのご質問やご不安の中で多いものの一つに、ボトックスの安全性に対するご質問があります。

インターネット等の情報で「ボトックスは菌だから危険」、「毒だからやらない方が良い」と書いてあり不安だ、といったお話を聞くこともあります。
しかし、この情報は正確なものではありません。

正確にはボツリヌス菌が産生する筋肉を止める作用のある成分を抽出精製したものです。
ボトックスに限らず、ほぼすべてのお薬は効果と副作用があります。
例えば一般的に痛み止めとして使用されるロキソニンと呼ばれるお薬には、胃が荒れるといった副作用があります。
お薬のテレビCMでもよくありますが、用法容量を守り、適切に使用することが大切です。
お薬は過剰量を使用すると副作用の確率が高くなり体にとっては毒となります。ボトックスもそうですが、どんなお薬も適量を守らないと毒といえます。正しく使用して初めてお薬となるのです。

「菌が産生したものなのに危険ではないのか」といったお声も聞きます。
しかしながら、細菌等の微生物から産生されるお薬は他にもあります。
有名なものはペニシリンと呼ばれる抗生物質でアオカビの一種から産生される成分です。
抗生物質でカビからできているから危険ということはありません。
注意点はありますが、怖がりすぎるのは、せっかくの若返りのチャンスを逃してしまうことにもなりもったいないですので、正しい知識を持っていただければと思います。

お薬の説明書(添付文書)や経験から私が患者様に知っていただきたいボトックスの注意点は
①部位により目安の注入量があるので、それを超える量は打たない。
(カウンセリングにて部位別に適正量をお話しさせていただきます)
②再度シワができた場合でも3か月以内の再注入は避ける。
(少量の微調整は除く)。安易に大量に使用すると効果が出にくくなったり、目的の部位以外にもボトックスが効いてしまい良くないです。
③筋肉が弱くなる持病(重症筋無力症など)を持っている方は打たない。症状が強くなる事例が報告されています。
④シワが気になる部位でも動かしにくくなると機能的に困る部分は避ける。
(例)口角やほうれい線部分は動きが悪くなると口回り機能が制限される可能性が高いため当院では行っておりません。
⑤妊娠・授乳中は避ける。(緊急時に使われるお薬ではない為、胎児や乳児に影響があるかないかの検査がされていません。)

もう少し細かいお話しをさせていただきます。

ボトックスは数社から出しており、さまざまな種類があります。
正確にはボトックスとはアラガン社が出している製品名ですので、アラガン社以外のボツリヌス製剤はボトックスとは呼べないのですが、ボツリヌス製剤=ボトックスというのが一般的ですので、便宜上ボトックスと呼ばせていただきます。

メジャーなボトックス製剤は、ボトックス、ボトックスビスタ、レジェノックス(リジェノックス)、ニューロノックス、ディスポート、ゼオミン、等があります。
これらのお薬はそれぞれ一定の国で認可されているお薬で、それぞれ特徴・細かな違いがあります。

ボトックスはアラガン社という会社の製剤でボツリヌス製剤が広まるきっかけになったお薬です。
数十年の歴史があり、現在は米食品医薬品局(FDA)の認可があり、昔から安定して使用されている製剤です。

レジェノックス(リジェノックス)・ニューロノックスは韓国製でメディトックス社製、KFDA(韓国食品医薬品安全庁)の認可を受けています。
効果はボトックスと変わりがないと言われています。

ディスポートはイギリスを中心としてヨーロッパでよく使われていた製剤で、ボトックスと比べ効果が弱く、広範囲に広がりやすいと言われています。

ゼオミンはドイツ製で最近日本でも見かけるようになりました。抗体ができにくく繰り返しの使用でも効果が減りにくいと言われています。
しかし、私はその他の製剤でも徐々に効果が減ってきたとのお声を聞いたことがありませんので、ゼオミンに大きなメリットがあるかはまだはっきりしないのではないでしょうか。

その他にも、保存方法が冷凍や冷蔵等の違いがあり、適切な保存方法がなされていないと効果が弱くなることもボトックスの特徴です。
日本で認可されていないお薬は、医師が個人輸入で購入し使用しているため、輸送時に適切な保存をされていない可能性も指摘されています。

さまざまな種類がありますが、この中で日本の厚生労働省の認可が出ている製剤は、ボトックスビスタのみとなりますので、初めての方や、今までそのほかの製剤を打ち続けていてこだわりがある方以外は、ボトックスビスタを使用するのが一番安心と言えるのではないでしょうか。

その他ご質問があれば、カウンセリングの時に何でもお聞きください。メリットもデメリットも隠さず誠実に、お答えさせていただきますので是非一度ご来院ください。