乳房縮小術、乳房吊り上げ術について

●乳房縮小術…大きく肥大して、下垂したバストを小さくしたり、小さくして下垂を矯正する手術
●乳房吊り上げ術…乳房の肥大はなく(あっても経度)、下垂したバストを矯正する手術

乳房縮小術には色々な手術方法が存在します。 そのため、各クリニックのHPを見ても、色々な方法が記載されており、患者様としても わかりにくいのではないかと思われます。 そもそも、乳房縮小術には、絶対的な適応みたいなものはなく、各医師の経験に基づいた創意、工夫がなされているため、手術法にも違いが出てくる傾向にあります。

これらの手術法をわかり易く解説をするなら、要するに乳房を切除するにあたり、乳輪、乳頭の血行をどの部分から確保するのかということで術式も別れてきます。(乳房縮小でも最もケアしなくてはいけないのは、血行不良による壊死です)

手術術式

  • Superior pedicle:乳輪、乳頭の血行を乳房の頭側から確保
  • Central pedicle:乳輪、乳頭の血行を乳房の中心部より確保
  • Inferior pedicle:乳輪、乳頭の血行を乳房の足側から確保

また、乳房縮小術における患者様の懸念点としては術後の傷跡となります。 多くの方法では、乳輪周囲と乳房下縁、そして、それを結ぶ逆T字の傷跡となります。 他には、乳輪周囲のみの切開で行う方法がありますが、こちらも乳輪周囲の傷が目立ちやすかったり、乳房が平坦になりやすいという欠点もあり、 術式の選択は医師によっても別れてくるところです。

乳房縮小術、乳房吊り上げ術の手術方法

日本人には、すごく大きな乳房は珍しく、大多数は乳房吊り上げのケースが多いといえます。 乳房吊り上げの術式として当院が用いている方法はPitanguy法となります。 Pitanguy法は、軽度から中程度の肥大を伴う下垂症例が適応となり、日本人の場合は殆どがこの方法で対応できます。

●Pitanguy法(superior pedicle)

鎖骨の中心より20~22㎝のあたりに新しい乳頭の位置を設定します。青色の部分は表皮のみを剥離して、ピンク部分の乳腺を必要に応じて切除します。青色部分は表皮のみの剥離ですので、乳頭の上側から十分な血行(↓)を確保しています。(superior pedicle)乳頭を設定した位置に移動させ、下部の組織を縫縮して、乳房を釣り上げます。
※乳房縮小術や乳房吊り上げ術は、いかに乳頭、乳輪の血行を確保するかが大事で、Pitanguy法では、乳輪直下の乳腺は切除しないため、最も血行が安定した方法といえます。

Pitanguy法のメリット

  • ・乳頭、乳輪の血行が安定している。
  • ・術直後より知覚も安定している。

Pitanguy法のデメリット

  • ・乳頭、乳輪の移動量が大きくは出来ないため、極端に肥大していたり、極端に下垂している症例には適していないが、日本人の場合は、ほぼこの術式で対応できることが多い。

●Inferior pedicle

乳輪の足側からの血行を確保して、乳房の外側乳腺を切除して、乳房の下垂、肥大を矯正します。 この方法は、どのような乳房の大きさにも対応でき、乳頭、乳輪を壊死に陥らせることなく、どのような位置への移動も無理なく行えます。 乳腺の切除量が多くなるためPitanguy法に比べ、乳房下縁の傷が長くなります。 又、術後、授乳は不可能となります。

青色の部分は表皮のみを剥離して、ピンク部分の乳腺を必要に応じて切除します。青色部分は表皮のみの剥離ですので、特に乳頭の下側から十分な血行(↑)を確保しています。(inferior pedicle)

乳房縮小術、乳房吊り上げ術の処置期間・アフターケア

手術当日
【ご来院】

患部の状態
お胸には包帯圧迫をした状態となります。
アフターケア
痛みは痛み止めでコントロールして下さい。
処方箋
・痛み止め ・抗生剤
日常生活
当日は安静を心がけてください。

1日目
(手術翌日)

患部の状態
包帯を交換します。
血腫が出来てないかなどチェックさせて頂きます。
お胸には、ドレーンといわれる管が入っている状態です。
(胸に浸出液や血液が貯まらない様に外に排出するためのものです。)
清 潔
お胸は包帯圧迫されていますので、下半身のみシャワー浴が可能です。
日常生活
2週間程度はうつぶせ寝は控えて下さい。

3日目

患部の状態
包帯を交換します。
浸出液の出具合を確認し、少量であればドレーンを抜去します。
(浸出液の量が多い場合は翌日、翌々日にドレーンを抜去します。)
清 潔
お胸は包帯圧迫されていますので、下半身のみシャワー浴が可能です。

7~9日目
【ご来院】
抜糸

患部の状態
包帯は外します。
抜糸後も創部より浸出液が出てくることが多いため、ご自身でガーゼを当てて頂き交換していただきます。浸出液が出てこなくなるまで続けて下さい。(抜糸後1週間くらいが目安です。)
腫れは徐々に落ち着いてきます。
清 潔
全身のシャワー浴が可能となります。
入浴は浸出液が完全に出なくなるまで控えて下さい。

1ヶ月
【ご来院】
検診

患部の状態
ほぼ腫れも落ち着いている状態です。